【スポーツ講演会】キーワードは「楽しさ!」目指せグッドコーチ

スポーツ界のパワハラ撲滅!~選手ファーストとは?~

2月23日、三条東公民館で『スポーツ界のパワハラ撲滅!~選手ファーストとは?~』をテーマに講演会が開催され、スポーツ少年団の指導者や父母ら約30名が参加、真剣に子供達への指導方法を学んだ。
昨年、レスリングやアメフト、女子体操などのアマチュアスポーツにおいてパワーハラスメント(パワハラ)問題が報道された。三条市スポーツ少年団(米山俊司本部長)においても、どこからがパワハラなのか、どう受け取られるかいうことを不安に感じているジュニア指導者が多くいることから、三条市と共催で『スポーツ界のパワハラ撲滅!~選手ファーストとは?~』をテーマに講演会を開催し、自身の指導やチームについて考えてもらいパワハラ撲滅を目指すもの。

講師は新潟市出身、新潟南高校3年の時に投手で四番打者として夏の甲子園に出場、現在は桐蔭横浜大学大学院スポーツ科学研究科准教授、一般社団法人スポーツフォーキッズジャパン(SKJ)代表の渋倉崇行氏。SKJは「体罰を用いた指導」を青少年スポーツの現場から根絶することを目標として研修活動などをおこなっていて、スポーツ系のパワーハラスメントの講演を先駆的に行っている。

米山本部長は、「パワハラは子供達を指導している我々が一番心がけないといけないこと」としてこの講演会で勉強して「誤解を与えないような指導」をして欲しいと開会あいさつ。続いて渋倉氏の講演会に移った。

はじめに渋倉氏は青少年スポーツの意義について「身体的・精神的・社会的成長を高める意義がある」として、そこに求められる指導者の役割は「スポーツを通じて子供の人間形成に寄与すること」だとした。
米国スポーツ教育プログラムの標語にAthletes First,Winning Second「選手が第一、勝利は第二」があるが、重要なことは何人の若者を人生の勝者とする助けができるかであり、どのくらい試合に勝つかではないことを紹介。
では、勝利を目指してはいけないのか?という問いが出てくるが、「勝利」をどこにおくのかが重要。勝利すること自体が目的ではなく、勝利が「人間形成のための手段、きっかけ」となることが大切だとした。その時に求められる指導者の役割については、スポーツの主役は参加者で、参加者の目的、動機を最大限尊重してそこに向けた活動をサポートすることだとした。

パワハラについては、良かれと思ってやったことでも相手がその行為をどのように受け取るかでハラスメントになりうることに注意して、指導者は選手との関係において優位性を持っているということをしっかり自覚すること、指導において強制力が働くとパワハラになるとした。
最近の体罰や熱中症の事例を紹介し、中学・高校で発生した体罰のうちトップが部活動中で約3割起こっているデータを示し、スポーツ指導の場面では体罰が生じやすいということを自覚する必要性を指摘した。

子供達は何を求めてスポーツをするのか。そこには楽しさ、優位性、親和性など多様な動機があるということを理解する必要があり、選手のやる気を高めるためにと行う体罰は、行動する本来の意味を選手が理解しないし常にやらされている感を持ってしまい、人間形成、チームづくりにおいて逆行することになる。自分で考えて行動する、自立した選手を育てることが重要で自立した選手育成には「アメとムチ」は必要ないし、そこに体罰が生まれることになる。

キーワードは「楽しさ!」

では、実際の指導ではどうするのか。キーワードは「楽しさ!」。
「楽しさ!」に結びつく子供の基本的欲求を理解し、有能さ、自律性、関係性という3つの基本的欲求を満たしてあげることが動機づけになり、意欲的な活動につながる。
3ヶ月前、半年前と比べてみて「上手くなった」と感じさせること、自分で考えた練習メニューを行わせて「自分でやっている」と感じさせること、とかくよくない点を指摘しがちだが「いい点」を指摘して期待を伝えることで「認めてもらっている」と感じさせることが「楽しさ!」につながるとした。

選手に対しての指導はついつい悪いところを指摘しがち。
「そんなことをすると失敗するぞ」「だらだら動くな」「ぼけっとするな」などはマイナスのイメージを強化する表現。マイナスイメージの言葉に気づいてポジティブな表現に言い換えをしてみると、選手のやる気がガラッと変わる。
グッドコーチは「こうすれば成功するよ」「きびきび動こう」「集中していこう」というポジティブ表現を使う。
これまでの自身のネガティヴな声かけに気づいて、より良い方向に改善を促進する表現に変えてみましょうと提言した。

目指せグッドコーチ

コーチング推進コンソーシアムがまとめたグッドコーチに向けた「7つの提言」を紹介し、「指導力」を高める方法として、グッドコーチを探し、モデルとなるその人の指導を「観る」こと、その人から「教えてもらう」ことや、常に新しい知識を「入手する」こと、指導を行い「省察する」ことをあげた。

最後に渋倉氏が大事にしている言葉として「熱い心と冷たい頭脳」を紹介して約2時間の講演を終了した。

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