【BMX】大怪我からの復帰 オリンピックで走って感謝の気持ちを届けたい

プロBMXレーサー菊池雄選手

大怪我を乗り越え東京オリンピックを目指す

三条市地域おこし協力隊員として下田地区で活動するプロBMXレーサー菊池雄選手は、首の骨を折るという大怪我を乗り越え東京オリンピック出場を目指している。

2017年4月から三条市地域おこし協力隊員として下田地区で活動する菊池雄(28)さんは神奈川県出身のプロのBMXレーサー。BMXを4歳から始めて競技歴は24年。14歳でプロクラスに昇格した。(以下、敬称略)

BMXはBicycle Motocross(バイシクルモトクロス)の略で、モトクロスに憧れた子供達に親が乗せたいと始まった自転車競技。2008年からオリンピックの正式種目になった。BMXのタイヤ径は車イスと同じ20インチ、ギヤが1枚、レースに使うBMXは後ろブレーキのみ。レースは、最大8名が一斉にスタートし大小さまざまな起伏がある400m程のダートコースで順位を競う。

体験教室でジャンプの模範演技(2018.12.19)

BMXがオリンピック正式種目となったときから五輪出場が菊池の夢になった。
2012年4月の大会中に首第6頚椎を骨折し医師からは「選手に戻ることはできない」と宣告されるも懸命のリハビリ、トレーニングに励み2013年5月からレースに復帰。
現在は小学校への出前授業やBMXの体験教室を開いたりなど協力隊員として下田地区で活動をしながら海外、国内のBMXレースに出場している。

東京オリンピックを目指す菊池の今の目標は日本自転車競技連盟(JCF)の強化指定選手に入ること。6人の強化指定選手(2018年5月24日現在)には菊池は入っていない。菊池によると五輪出場選手は強化指定選手の中から世界(UCI)ポイントにより選ばれることになる。強化指定に入っていなければ東京オリンピックには出場できない。

2018年のUCIポイントによる個人ランキングは1位がオランダのKIMMANN Niekで1555ポイント。日本人のトップは57位の松下巽で225ポイント、続いて64位の吉井康平205ポイント、67位⻑迫吉拓、88位吉村樹希敢、92位池上泰地、141位山口大地で菊池は196位55ポイント。
菊池は「経験をもとに成功も失敗も全てを感触をもとにレースで走りにつなげていきたい、それがいまの強み」と、ここから上を目指す。

このUCIポイントを獲得しランキングを上げるために2019年は海外・国内のUCIポイント対象のクラス1(C1)のレースを中心に活動をしていくことにしている。

国内戦では7月の全日本選手権自転車競技大会BMXレース(広島)、10月の2020東京五輪テストイベントBMX(東京都・有明BMXコース)、昨年4位になった10月の大阪BMX国際(大阪府・堺市)に出場予定。
海外では6月の韓国のほか、大会予定が未定だがタイとインドネシアのレースには出場することにしているほかC1大会にどんどん参戦していく。

しかし、遠征や活動をまかなう資金は潤沢ではなく厳しい状況。クラウドファンディングを活用したりスポンサーを探したりしながら、マネージメントも自分で行っている状況で練習を行う時間が十分に確保できないことが悩みとなっている。

地域おこし協力隊を2020年3月に卒業予定の菊池は、「いままでの応援、支えがあって、大怪我もあってそれでもあきらめず応援をしてくれる皆様のその思いをオリンピックにのせていきたい」と話し、オリンピックに挑戦している姿、成長過程も見てもらいたいとして「最後の最後に走って感謝の気持ちを届けたい。」と東京2020への思いを一言一言噛みしめるように語った。

いつも笑顔の菊池からは首第6頚椎を骨折する大怪我の雰囲気は感じられない。今も首には頚椎を固定するプレートが入っている。競技中は首を保護する防具をつけてレースに臨み影響はないと言うが、歳を追うごとに悪化するのかもしれないという恐怖があると話した。

BMXの体験会や小学校への出前授業での子供たちの反応が嬉しいと話す。「実はあのライダーが大怪我してたんだ、そこから這い上がってオリンピックにでたんだ。大きなこともあきらめずにやればかなうんだ、と自分が見せていければ。そこが一番強い思い」で「そこが地域に届けていけることなのかな」と協力隊員としての活動の意味を感じている。

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