【パラ陸上】世界で活躍するパラアスリート手塚圭太選手と交流

陸上パラアスリート交流会 in 三条

世界で活躍するパラアスリートが来条!

23歳で左足を切断、49歳でパラ陸上を始めてから6年目、毎年自己ベストを更新し世界大会でも活躍する義足のアスリート手塚圭太選手を招いて三条市で交流会が開催された。

NPO法人ソーシャルファームさんじょう(柴山昌彦理事長・SFS)主催の陸上パラアスリート交流会 in 三条が11月10日午後1時からウェルネスしただで開催された。SFSでは、スポーツを通して健常者と障がい者の心の壁、バリアを取り払いたい、一緒に活動する中で共感、理解をしあう取り組みをしていきたいと、世界大会でも活躍しているパラ陸上の手塚圭太選手(短距離/T63・スタートラインTokyo)を招いての交流会を企画した。

雨天のため会場がウェルネスしただに変更になった交流会には、三条市陸上競技協会が指導する三条ジュニアの小学生や一般の人、20名ほどが参加。講演を聞いたり、一緒に練習をしたりして障がい者スポーツへの理解を深めた。

講演は三条市地域おこし研究員の野村直己さんとのインタビュー形式で行われた。
23歳の時にオートバイ事故で左足を切断した手塚選手は49歳でパラ陸上を始めた。種目は100m、200m、400m、走り幅跳び。
49歳の時初めて出た100mで22秒、今年のシーズンベストが15秒80と毎年記録を更新し続けている。走り幅跳びは52歳から始めて今年4m14cmの記録を出した。
今年は3月からUAE(アラブ首長国連邦)ドバイのグランプリ大会に最年長選手として出場、国内最高峰の大会ジャパンパラ陸上など、海外・国内など全部で13試合に出場した。

400mでは世界ランキング1位

400mは健常者にとっても厳しい種目だが、「どこまでできるのかやってみた」。パラリンピック種目で手塚選手のT63クラスでは400m競技がない。今シーズンは世界でも国内でも手塚選手しかやっていないから400mでは世界ランキング1位。しかしそれは400mがそれだけ厳しい種目だということ。
「義足を言い訳にしない」手塚選手は敢えてそこをやった。「メガネと一緒、目が悪いからメガネを使う、足が悪いから義足を使う。義足だから100m、200m、400m走れない、というのは単なる言い訳」とごく自然に話す。

練習は義足の仲間ばかりではなく健常者や他の障がいがある人などが一緒に同じメニューをこなす。
タイム差はあるが「コンマ1秒でも速く走る」という同じ目標に向かって、障がいの差、男女の差、年齢の差がある中で同じ練習をしている。フルタイムで仕事をする手塚選手は週5回、火・水曜の夜、土・日曜の午前に走り、木曜に行うウエイトトレーニングを6年間続けている。
義足だからと特別の練習はない。普通の陸上競技の練習を行う。「メガネと一緒、ただ義足をつけているだけ」。

日本一でも出場できない狭き門

オリンピックの100mであれば日本から3人くらい出場するが、「パラリンピックの場合は100mで男子、女子があってその下にクラスがいっぱいある。そのクラスで出られるのは1人。かつ、日本一になったから出られるわけじゃなくて、リオパラリンピックの場合は世界ランク8位で切られました」。アジアパラリンピックで優勝してもパラリンピックには届かない選手もいる。「世界ランク8位に入らないと強化選手にも選ばれない。日本一だからといって(パラリンピックに)出られるわけじゃない」という厳しい世界だ。

義足になってからの苦労はあるかの問いに、「23歳までは両足でいろいろ楽しんで、お金払っても足切ってくれませんから、23歳からは義足の生活を楽しんでいる。」と極めて前向きな手塚選手は「スキーは2本足でやって、1本足でもやった。ゴルフ、テニスなどやってないことがないくらいなんでもやった」。
これからの目標については、パラリンピックT63クラスの参加標準記録「100m15秒6、走り幅跳びで4m40」を目標にあげ、現在の記録が「100mで15秒8、走り幅跳びで4m15で、もう少し」だとした。

義足は1本100万円
ドイツでは全部、国からでる

手塚選手は生活用の義足をはずし、競技用のものを装着するところを間近で見せてくれた。部品はドイツのオットボックというメーカー、バネはイマセンという国内のメーカーがミズノと共同開発をしたもの。地面に接するくの字の形の板バネはカーボン製で「TVとかでみてるとフニャフニャの感じでぴょんぴょんと飛んでいるが、実はすごく硬い」。参加者が体重をかけて曲げようとするが曲がらない。「走る時は足の裏に体重の3倍位の負荷がかかっている、だから手で曲げようとしても曲がらない。幅跳びの時は5、6倍の体重がのる」の説明にみんなが納得。
競技用の義足は1本100万円位で日本では自己負担。「ドイツでは義足が必要だとなったら普通の義足もスポーツ義足も全部、国からでる」で、日本では負担が大きく選手育成は大変だと話した。

講演後に手塚選手の指導で練習を行い、一緒にリレーをして午後3時くらいに終わった。

2回目の交流会を11月17日午後1時から、新潟県出身、やり投げで2020年東京パラリンピックでメダル獲得を目指す現役大学生アスリート三須穂乃香選手を招いて行う。会場は三条・燕総合グラウンド陸上競技場(雨天時はウェルネスしただ)。
参加は無料で誰でも参加できる。問い合わせはNPO法人ソーシャルファームさんじょう(電話0256-64-8116)まで。

陸上パラアスリート交流会の様子

2018年11月10日(ウェルネスしただ)

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