【講演】「緊張を私の武器にする」しつもんメンタルトレーニング

子どものやる気を引き出すスポーツメンタルコーチが楽しく教える!

〝しつもんメンタルトレーニング〟藤代圭一氏講演会


12月23日午後1時から吉田産業会館大ホール(燕市吉田東栄町)において、「緊張を私の武器にする」をテーマにメンタルトレーニング代表藤代圭一氏の講演会が開かれ、WHY(何でそのプレイをしたの?)と問いかける質問は行動力や推進力を奪ってしまうが、HOW(次はどうしたらいい?)と問いかけるとアイデアや改善策がかえってきて、どんどん良いプレイが生まれるようになると話し、緊張は生理現象で自然なこと「緊張は悪者じゃない」とし、参加者はグループワークを通して学びを行いました。
主催は県立吉田高校アーチェリー部。吉田高校の灰野正宏校長はあいさつの中で、この講演会がアーチェリー部が燕市教育委員会の「羽ばたけつばくろ応援事業」に応募、プレゼンテーションをして採用されて実現したもので、準備・運営、ポスターの作製まですべて部員が行ったことを紹介し「今日聞いたことは大変役にたつと思います。大事なことはそれを実践することです。」と述べました。
講演会には、小学生から大学生のスポーツ選手、中学や高校の指導者、保護者ら約180名の申し込みがあり、市内だけでなく長岡や新発田、大阪からの参加もありました。競技種目はアーチェリー、卓球、バスケットボール、バレーボール、サッカー、水泳、空手、野球などのスポーツ競技だけでなく吹奏楽部員の参加もあり多種多彩。
藤代氏は、1984年名古屋市生まれ。スポーツスクールのコーチとして活動後、教えるのではなく問いかけることで子どもたちのやる気を引き出し、考える力をはぐくむ〝しつもんメンタルトレーニング〟を考案。日本女子フットサルリーグ優勝チーム、インターハイ(サッカー)出場チームをはじめ、全国優勝から地域で1勝を目指すチームまで、さまざまなスポーツジャンルのメンタルコーチをつとめています。
講演会は藤代氏が質問をして参加者が答える、その答えを6人のテーブルごとに座わったグループの人と伝え合うグループワーク(GW)をしながら行い、1)質問の答えはすべて正解、2)「わからない」も正解、3)他の人の答えを「そうだよね」と受け止める、の3つのルールで進められました。

練習の質を高めるために

まず藤代氏はホワイトボードにウサギとカメの絵を描いて、ゴールを決めることの重要性を話し、ヨーロッパサッカーのスタンダードな練習時間は1.5時間から2時間。選手に負担をかけないようにできるだけ練習時間を短くするというのが欧州の考え方。2時間しか練習できない練習の質を高めるために練習前に「練習が終わったときに、どうなっていたら最高だと思う?」と質問してから練習を始めると選手の姿勢が変わり、一人一人が考えて練習に臨むようになると説明し、「今日この時間が終わったときに、どうなっていたら最高ですか?」と質問。

緊張は悪者じゃない!

緊張するとどうなるのかというGWで、手足がふるえる、ドキドキする、声が震える、うまくしゃべれない、汗をかく、赤面するなどの答えに、これが緊張のサイン、そのサインをもとに緊張に気づくことが重要だとし、「緊張は生理現象。緊張するのは自然なこと」で緊張しないほうがおかしい。指導者がよくいう「緊張するな」は、「ご飯食べるな」と一緒。緊張しちゃだめということではなく、緊張を力に変えることが大切で「緊張は悪者じゃない!」と強調しました。

緊張をコントロール

緊張とパフォーマンスの関係を考えるためにGWでグラフを作製。横軸に緊張度合い、縦軸はパフォーマンスの高低。過去の自分の中でスポーツに限らず色々な場面を思い出し、緊張度合いとパフォーマンスの高低の交差点をプロット。多くの人は過緊張状態でもなくリラックスしすぎているでもない真ん中位、Uの字を逆にした真ん中の高い部分で一番いいパフォーマンスを発揮できていたはずで、これはメンタルトレーニングでは有名な逆U字曲線理論。
緊張をやわらげるためには笑顔を作ったりすることが有効で、有名なのがサッカー女子日本代表のなでしこジャパンが笑顔でピッチに入場したことを例にあげ、リラックスした状態で一番いいパフォーマンスを発揮するために意識的に行っていたとしました。
緊張をコントロールするためには、まず自分が緊張しているのかいないのか、ということに気づくことが重要で、試合の後に10段階で評価して、今日は緊張度何点でパフォーマンスは何点などとノートや日誌をつけて振り返ることがとても重要。
緊張に気づいたらどうするのか。多くの選手は緊張をやわらげたいと思っているはずで、シュートをはずした後になんでできないんだろうと考えるのではなく、どうしたら次にシュートを決めることができるか、と切り替えるリフレーミングという考え方。心は変えられないので、体や動きに直接変化を起こすこと、具体的には呼吸をゆったりとしたり、深呼吸をするなどの感情(エモーション)をコントロールするためのモーション。打てなかったらどうしようなどと自分の力では変えられない未来のことを考えると緊張が高まるので、今この瞬間の自分自身に意識をむけていつものスイングをすることを考えるフォーカスを変える、という3つのことを説明しました。

緊張の対処

緊張の対処には準備をしておくことがとても重要。最初のメンタルトレーニングは宇宙飛行士のために考えられたもので、そこからスポーツやビジネスに応用された。未知の場所に行った時にどう対応する、ということをあらかじめ準備をしておく。天気や気候、ピッチやコートの状況、レフェリーのジャッジ、応援・歓声、過去や未来などコントロールできないことに意識が向くとパフォーマンスが低下する。自分にできることは何があるんだろうと、集中力を自分のできることに再集中することが大事。

いい質問と悪い質問

3人ずつのグループを作って、1から100の数字がばらばらに書かれている紙を用いて、1から順番にチェックをしていくGWでは、1回終わると振り返り、いい質問と悪い質問を考えてみました。
ミスやよくないプレイをした後に「なんでその時に、そのプレイをしたの?」と聞くと、次には消極的で失敗しないように、怒られないようにプレイをしてしまい、創造的なプレイはできなくなる。藤代氏が出会ったスペインのサッカー指導者たちは、うまくいった時に笛を吹き「どうしてそのプレイをしたの、すごくよかったよ」と聞く、すると他の選手たちも僕も褒められたいと、どんどんプレイが変わってくる好循環が生まれてくる。
「しつもん」にはいい質問と悪い質問があり、効果的な質問と尋問がある。尋問はWHY(何で)と問いかける、これは行動力や推進力を奪ってしまう。遅刻した時にする質問「何で遅れたの?」はその典型でかえってくる答えは「いい訳」。そこで質問をHOW(どのようにすれば、どうすれば)に変えてみる、「さっきはシュートをはずしたけど、次はどうしたらいい?」と問いかけると、アイデアとか改善策がかえってくる。これが「いいしつもん」だとし、いろんな「しつもん」を活用して、自分自身ができることを見つけて行動に移してください、としました。
参加者全員にこの部屋の中に赤いものがいくつあるかを「しつもん」。目を閉じてもらい、いくつあったか手をあげてもらった後に再び目を開けた時、多くの人は赤いものを探し始めます。赤いものを探して下さいという指示や命令をしていないのにもかかわらず。これが「しつもん」の効果で、「しつもん」をされると答えを探し始める。「なんでできないんだろう?」って自分に問いかければ言い訳を考えるが、「どのようにすればできるだろう?」の問いかけにはアイデアを探し始める。
緊張を感じたときにも、いい「しつもん」を通じて自分のパフォーマンスを発揮できるようにしてくださいと締めくくり、午後3時半頃に終了しました。
「今日、学んだことは何がありましたか」というアンケートに、参加した女性は「緊張するということは、自分の中で悪いことだと思っていて、自分自信緊張しないでちゃんとしないと、と思っていたが緊張するのはいいことだし、逆にしないということはおかしいということがわかってよかった」などと答えていました。

藤代圭一氏講演会の様子

12月23日(吉田産業会館大ホール)

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