【スポーツ指導者講習会】睡眠を大切にしているトップアスリートは結果を出す

スポーツ指導者講習会

「子どもの生活習慣と体力・運動能力について」

11月30日午後7時から燕市吉田産業会館において、「子どもの生活習慣と体力・運動能力について」をテーマにスポーツ指導者講習会が開催され、指導者や保護者らは改めて睡眠の大切さを学びました。講習会は、燕市教育委員会が「眠育」に取り組む中、スポーツ少年団の中には夜遅くまで活動をしている団体もあり、子供達に十分な睡眠時間をとってもらい規則正しい生活を取り戻してもらおうと、一般財団法人燕市体育協会(柴山義榮会長)が主催したもの。
会場にはジュニアスポーツに携わる指導者や保護者ら70名程が集まり、用意した席はほぼ満席。講師は小・中学校および高等学校の「保健」の内容、方法、評価等に関する研究を行っている新潟医療福祉大学准教授の杉崎弘周(こうしゅう)氏。
はじめに、燕市体育協会の田邉勝雄副会長、燕市教育委員会の仲野孝教育長があいさつ。仲野教育長は、「中学校3年生が寝る時間が11時というのと小学校5、6年生が11時に寝るというのでは全然違う」とし、「子供達が健やかに成長する時期でもある、スポーツも食事も体を休める時間も大切」と講習会の意義を述べました。

睡眠時間を1時間増やしてワールドカップで優勝

杉崎氏は「睡眠を大切にしているトップアスリートは誰を思い浮かべますか?」と会場に問いかけ、本田圭佑、大谷翔平、ネイマール、三浦知良選手等の名前を挙げました。特に卓球の平野美宇選手について「睡眠時間を1時間増やして9時間にしたら調子がよくなってワールドカップで優勝した」とし、三浦選手は非常に睡眠にこだわっていて、奥さんが入院中に付き添いをした時に、付き添い用の簡易ベッドではよく眠ることができないと奥さんとベッドを交換し看護師にしかられたエピソードも紹介しました。

レム睡眠・ノンレム睡眠

中学校の保健の教科書にはレム睡眠・ノンレム睡眠の話があって、成長を助けるために睡眠をとることは非常に大事で、成長ホルモンは入眠直後に大量に出されて体の成長や疲労回復に重要な役割を果たす、とあることも説明。
小学校では運動、食事、休養、睡眠が大切で、排便もリズムということで大事だと教えられていて、リズム良く生活している人は日中に体温が上がり、夜更かししてたり朝食抜きだと体温が上がらなくて健康な生活が送れない、と保健の授業内容を紹介しました。

睡眠時間が少ないと不安が高まる

世界各国の平均睡眠時間の表を示し、OECD26カ国の平均睡眠時間が8.36時間なのに対し日本は7.72時間と短く、12歳児や中学生、高校生でも低い数値となっており、CDC(米国疾病管理予防センター)が推奨する睡眠時間よりも短い睡眠時間であるデータを示しました。
東京大学付属中等教育学校で行われた中学生・高校生に対しての睡眠時間調査では、学年が上がるにつれて睡眠時間が短くなり、それに伴い心の不安も強くなっていて、睡眠時間が少なくなることが心の状態を悪化させているという研究を紹介。

中学生・高校生は8時間半の睡眠を

中学生・高校生で睡眠を8時間半とった場合の心の健康状態が最も良く、5時間半未満の短い睡眠時間だと鬱の症状が現れやすいということがわかった、としました。
他にもいろいろな研究で夜型の生活や睡眠時間が短いことで、注意力が悪い、イライラしやすくなる、学力が低下する、気難しさ、ムラっ気、不機嫌、発がん性、問題行動が高まる、などの悪影響がでている報告があることを紹介しました。

4時間睡眠は「飲酒運転」と同じ状態

世界的に権威のあるイギリスの学術雑誌ネイチャーに掲載されたグラフデータを示しながら、4時間睡眠は「飲酒運転」と同じ状態だと指摘。
睡眠不足で低下した能力が戻るかどうかという実験では、4時間睡眠から8時間睡眠に戻してもスタート時の作業効率には戻らなかった。平日4時間睡眠で頑張っても金曜日にはかなり作業効率が下がる。土日に寝てもあまり回復しない、低下した能力は完全に回復しない。
これがいま盛んに言われている「睡眠負債」で、睡眠は貯金ができない、借金も返しにくいことがわかっているとし、十分な睡眠を毎日とることの必要性を説明しています。

覚醒スイッチ

規則正しい生活のためには、起きたらカーテンをあけて光を脳に届けるとういうのが大事で、体内時計は24.2時間〜25時間位の幅があるので、ずれたリズムを「光」で同調、正常にすることができる。夜に明るい光を受けると眠られなくなるので就寝前のスマフォなどはやめたほうがよく、より良い睡眠のためには、朝の光を浴びる、昼活動する、夜は暗いところで休む等が大事で、眠るためのルーティンを決めておくのもよいとしました。
トップアスリートの浅田真央や錦織圭選手など、睡眠を大事にしている人が結果をだしているとし、最後に山本五十六の言葉「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」を引用して、指導者や家族が一緒に規則正しい生活を実践することを勧めました。


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